「働いていると障害年金はもらえませんか?」というご質問を頂くことがあります。
実は、「働いている=障害年金をもらえない」というわけではありません。
障害年金は病気やけがで働けなくなったり、日常生活に制限を受けたりしている場合に支給される年金のため、支給されるかどうかは主に「障害の程度」によって判断されます。
では、どういった場合に受給できるのでしょうか。
障害等級に該当することが明らかな場合
障害等級に該当することが明らかな場合は、原則、就労の有無にかかわりなく障害年金の支給が決定します。
たとえば視覚障害や聴覚障害については、視力や聴力の計測値により1級、2級と障害等級が定められています。
また傷病によっては、具体的な例が障害認定基準に定義されている場合もあります。
・腎疾患で人工透析を行っている場合は原則2級
・心疾患で人工弁を装着している場合は原則3級
などです。
詳細は日本年金機構のホームぺ-ジでご確認ください。
日本年金機構 障害認定基準:
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/20140604.html
これらの基準にあてはまれば、就労の有無はほとんど影響せず障害年金の対象となります。
つくる障害年金相談室で障害年金を請求された方の中にも、人工透析を受けたり、人工弁や人工関節の置換術を受け、障害年金をもらいながら働いている方がいらっしゃいます。
精神疾患の場合は「障害等級と同程度以上」と認められる場合
障害年金の障害等級は、
・日常生活のあらゆる場面で全面的な介助が必要な場合(1級)
・日常生活が著しい制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加える場合(2級)
・労働が著しい制限を受けるかまたは労働に著しい制限を加える場合(3級)
が基準となっています。
精神疾患の場合も、日本年金機構や審査医が診断書や就労状況などから総合的に判断して、障害等級と同程度以上の状態だと認めれば支給されます。
たとえば、通常より短い勤務時間だったり、会社から特別な配慮を受けていたり、周囲からフォローをしてもらっていたり、
「特別な配慮を受けることでなんとか働くことができている」
という場合は、働きながら障害年金を受給できる可能性があります。
一口に「働いている」といっても、残業も問わずバリバリ働いているケースと、働く時間や日数を減らし、周囲のフォローを受けて何とか働くことができているというケースでは、大きな違いがあります。
確かに、全く働けない場合よりも就労していると障害年金受給のハードルは上がりますが、「働いている=障害年金をもらえない」というわけではありません。
まとめ
働いていると障害年金はもらえないと思っている方は多くいらっしゃいます。
しかし実際は働いていても、障害年金を受け取ることは可能な場合があります。
ただし、おひとりおひとりの病状と働き方で、受給の可能性は大きく異なります。
また、請求する際は『働いてはいるが困難である』という現状がしっかり伝わる「診断書」「就労状況申立書」等を提出することが重要です。
もしかしたら自分も該当するかもしれないと思われる場合は、一度つくる障害年金相談室にご相談ください。