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障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金の2つの種類があります。どちらの年金が受給できるのか、また受給が決まった際の金額など事例を含めて解りやすく説明します。

障害年金の受給の可能性がある方がまず気になることは、受給できた場合いくら支給されるのかだと思います。ケガや病気で働くことができない、あるいは働く時間や内容に制限があり自分の思うように収入を得ることができず不安に感じることがあるかと思います。

これから障害年金の申請をお考えの方や、既に受給されている方で傷病の症状が申請時よりも悪化されている方に最新の障害年金の受給の金額についてお伝えしていきます。

令和3年度の障害年金の金額

障害年金は障害基礎年と障害厚生年金の2つの年金に分けられます。

障害基礎年金は1級・2級の等級があり、それぞれの等級で受給できる金額が定額で決まっています。

障害厚生年金は1級・2級・3級の等級と障害手当金があり、今まで収めてきた厚生年金保険料と加入期間によって受給金額が変わります。

どちらの年金も家族構成によって加算がありますので詳しく説明していきます。

障害基礎年金

障害基礎年金は障害の原因となったケガや病気で最初に医師または歯科医師の診察を受けた日(初診日)に国民年金保険に加入しており、保険料の納付要件、障害等級要件が満たされている場合受給できます。

初診日が20歳前にある方や、国内在住で60歳~65歳(年金制度に加入せず、老齢年金を受給していない)の期間の方も対象です。
※初診日が20歳前にある場合、納付要件は不要です。

出典元:https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03-2.pdf

障害基礎年金で受給できる金額

障害基礎年金の金額は1級・2級それぞれ定額で決まっています。
令和3年の最新の金額を確認してみましょう。(令和3年4月現在)

1級・・976,125円
2級・・780,900円

障害基礎年金の計算方法

障害基礎年金は等級により受給金額は決まっていますので、どの等級に該当するか、また子の加算の対象になるお子様がいるかにより受給金額が決まります。(令和3年4月現在)

『1級』 780,900円×1.25+子の加算
『2級』 780,900円+子の加算

子の加算

障害基礎年金には、受給者に18歳未満の子(障害のある場合は20歳未満)がいると、年金に加え子の加算が支払われます。しかし子の加算を受給するためには4つの条件を満たしていなければなりません。

子の加算を受けるための条件

  1. 障害等級が1級または2級の受給権者であること
  2. 生計同一関係があること(受給者によって生計を維持している子)
  3. 対象の子が18歳未満であること( 18歳になって最初の3月31日に到達していない子)
    ※対象の子に障害がある場合は20歳未満で1級または2級の障害状態にある子
  4. 対象の子の年収が850未満であること

上記の条件を満たしている子がいる場合、年金に加えて子の加算が支払われます。
気になる金額ですが、こちらは子の人数で金額が変わってきます。(令和3年4月現在)

1人目・2人目まで・・・年間224,700円(1人あたり)
3人目以降    ・・・年間74,900円(1人あたり)

子の加算を受けるには申請書類提出の際に戸籍謄本・世帯全員の住民票・学生証など受給者との続柄が確認できる書類が必要になります。忘れずに準備しましょう。

障害基礎の受給例

女性 50代 
傷病名:慢性腎不全(人口透析中) 
家族構成:18歳未満の子 1名
受給決定:障害基礎年金2級
年金額:1,005,690円

初回の申請を依頼者様ご自身で行いましたが、年金機構に提出した書類では初診日が特定できないと不支給の決定を受けてご相談にいらっしゃいました。詳しくヒアリングを行ったところ、最初に診察を受けたと思っていた病院よりも前に、他の病院での受診歴があることが判明しました。21年前のカルテを病院のご協力により探していただき初診日の特定へと結びつけることができた結果、障害基礎年金2級の受給が決定しました。

受給金額     780,900円
子の加算     224,700円
総受給金額  1,005,690円

障害厚生年金

障害厚生年金は障害の原因となったケガや病気の初診日に厚生年金に加入し、保険料納付要件と障害等級要件に該当した場合に受給できます。

計算方法

障害厚生年金の計算は報酬比例の金額によって変わってきます。
報酬比例とは年金の加入期間と今まで受給者が納めた保険料の金額(標準報酬)によって決まります。

報酬比例の計算方法は下記の通りです。

出典:https://www.nenkin.go.jp/service/yougo/hagyo/hoshuhirei.html

配偶者加算

障害厚生年金では、受給者に配偶者がいる場合に年金に加えて配偶者加給年金が支給されます。受給者・配偶者に受給要件がありますので条件を満たしているか確認しましょう。(令和3年4月現在)

『配偶者の加給年金』:224,700円

受給要件

  1. 障害等級が1級または2級の受給権者であること
  2. 生計同一関係があること(受給者によって生計を維持している子)
  3. 配偶者の年収が850万円未満であること
  4. 配偶者が65歳未満で障害厚生年金や老齢年金、退職共済年金を受け取っていないこと

障害厚生年金金額

障害厚生年金は等級によって金額が決まっている障害基礎年金とは異なり、厚生年金の加入期間と納めてきた保険料の金額によって受給金額が決まります。

最新の年金額を確認してみましょう。(令和3年4月現在)

1級 報酬比例の年金額×1.25+配偶者加算
2級 報酬比例の年金額+配偶者加算
3級 報酬比例の年金額 (最低保障額585,700円)

厚生年金に加入している期間は同時に国民年金にも加入していることになります。これは年金制度が2階建ての制度となっているためです。これによって障害厚生年金の受給が決定した際は障害厚生年金に加えて障害基礎年金を受け取ることができます。

障害厚生年金受給例

男性 50代
傷病名:慢性腎不全(人口透析中) 
家族構成:配偶者と成人した子1名
受給決定:障害厚生年金2級
年金額:約1,400,000円

糖尿病から慢性腎不全となり、人工透析治療が始まるタイミングでご相談にいらっしゃいました。病院の通院歴など詳細に記憶されていたのですが、初診日が29年前のため病院にカルテはありませんでした。しかし入院記録が別に保管されており入院時期を特定することができました。そこから更に他の資料と組み合わせ洗い出した結果、初診日を証明することができ障害厚生年金2級の受給が決定しました。

受給金額    約1,200,000円/年
配偶者の加算  約200,000円/年
総受給金額   約1,400,000円/年

障害手当金

障害手当金は、初診日が厚生年金加入期間にある方が対象で、障害の程度が軽い場合に一時金として貰える制度のことです。こちらも受給には4つの要件があります。

  1. 厚生年金保険の加入中に初診日があること
  2. 保険料の納付要件を満たしていること
  3. 初診日から5年以内にケガや病気が治っていること(症状が固定)
  4. 障害等級表に定める障害の等級にあること

※障害等級表はコチラ:https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03-2.pdf

障害年金がもらえない・全額支給されないケース

障害年金の申請には3つの要件があります。

①初診日要件 ②保険料納付要件 ③障害程度要件
こちらの要件を満たしていない場合、障害年金の申請はできません。
②の保険料納付要件はお近くの年金事務所や年金機構のインターネットサイトねんきんネットで確認することができます。

ねんきんネット:https://www.nenkin.go.jp/n_net/

また、20歳以降の傷病に係る障害年金の受給には基本的に所得制限がありません。ただし、20歳前の傷病に係る傷病の障害基礎年金には所得制限があります。前年の所得金額が3,704,000円を超えた場合は年金額の1/2が停止になり、さらに4,721,000円を超えた場合は全額停止になります。

(支給停止期間は10月から翌年9月までです)

年金は基本的に1人1年金になりますので、障害年金を受給しているときに他の年金を受給することはできません。こちらは選択制なのでご自身でどの年金を受給するか選択することが可能です。

障害年金の金額・受給条件に関するQ&A

ここでは障害年金の金額に関してお問い合わせの多いご質問を紹介します。

障害年金がもらえる年齢に制限はある?

障害年金の請求手続きは、原則として請求時に20歳から64歳までであることが条件です。 ただし、20歳未満や65歳以上でも請求できるいくつかの例外があります。

障害年金額が少ない。増やすことは可能?

障害年金の申請時より障害の程度が重くなった場合、次回の更新を待たずに現在受給している障害年金の金額(等級)の改定を請求することが可能です。申請時より障害の状態が悪化している場合は額改定請求をお勧めします。

障害年金は一生受給できる?

障害年金は永久認定される場合と有期認定の場合があります。
永久認定は手足の切断などは生涯障害の程度に変化がないと思われるので、永久認定されることが多くなり、一生受給することができます。

有期認定は精神疾患や内臓の疾患など障害の程度が変化する場合などで、1年から5年までの間で更新時期が決定されます。受給決定時に年金機構より届く年金証書に次回診断書提出年月が記載されていますので、必ず確認してください。

障害年金の金額についてのまとめ

障害年金で受給できる金額を確認するためには、初診日を確認し障害基礎年金・障害厚生年金のどちらの年金の受給対象なのかをまず確認することが必要です。

保険料納付要件や障害等級要件を満たしている場合は受給できる可能性があります。
障害基礎年金は1級・2級で受給できる金額が決まっていますが、子の加算がありますので
対象となるお子様がいる場合は併せて申請が必要です。

障害厚生年金は今まで納めてきた保険料と期間により受給できる金額が異なりますので、年金事務所や年金定期便などで自分が今まで納めてきた保険料と期間を確認してみるといいと思います。障害厚生年金に子の加算はありませんが、配偶者の加給年金がありますので対象の配偶者がいる方はこちらの申請も併せて提出してください。

どちらの年金に該当するのかわからない、申請書類が多くなりそうで不安だと申請についてお困りの方は無料相談も行っておりますのでお気軽にお問合せください。
詳しい内容は以下でも確認してください。

リンク https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03-2.pdf