毎年、物価や賃金の変動に応じて、公的年金の金額は見直し(改定)されます。
これは障害年金だけでなく、老齢年金や遺族年金についても同様です。
令和8年度(2026年度)についても、前年度から年金額が引き上げられることとなりました。
障害年金額改定の詳細は以前掲載したコラムを参照ください。
年金額改定通知書とは
障害年金・老齢年金・遺族年金を受給されている方のもとには、毎年6月上旬頃、日本年金機構から「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」が一体となったハガキが順次発送されます。
この通知書では
・改定後の年金額
・今後の振込予定額
・支給停止の有無
・年金生活者支援給付金の金額(対象者のみ)
などを確認することができます。
なお、令和8年度の改定内容が実際の振込額へ反映されるのは、2026年6月15日(月曜)の支給分からとなります。
年金は「後払い」のため、6月支給分では4月分・5月分の年金がまとめて振り込まれます。
「思っていた金額と違う?」よくある相談
障害年金を受給されている方にとって、年金額改定通知書は生活費や医療費、今後の家計設計にも関わる大切な通知です。
実際には、
「思っていた金額と違う?」
「支援給付金も対象になっている?」
「配偶者加給や子の加算は反映されている?」
など、毎年多くのご相談をいただきます。
また、年金額は受給している年金の種類や加入歴によって異なります。
例えば、令和8年度(2026年度)の障害基礎年金額は、
・1級:約88,260円/月
・2級:約70,608円/月
が目安となっています。
さらに、障害厚生年金を受給されている場合は、報酬比例部分や配偶者加給年金額などが加算されるケースもあります。
老齢年金や遺族年金についても、加入歴や加給・振替加算等によって金額が変わるため、「前年と比べてどこが変わったのか」を確認することが大切です。
通知書が届いたら確認しておきたいポイント
各年金に共通して言えることですが、通知書が届いたら、まずは以下の点を確認しておくと安心です。
・各年金改定後の金額
・支給停止や変更の有無
・加算額の反映状況
通知される内容は現時点でのものなので、障害年金の更新請求中の方、額改定請求を行った方については、今後の審査結果によって通知内容が変更される場合もあるので注意が必要です。
また、「急に金額が変わった」など、気になる点がある場合には、早めに年金事務所や社会保険労務士へ確認することをおすすめします。
生活設計・ライフプランを見直すきっかけにも
障害年金の場合は、「受給できるかどうか」だけでなく、受給後も定期的に内容を確認していくことが大切です。
障害年金を受給されている方の中には、長期にわたって治療を続けながら働かれている方や、体調に波がある中で日常生活を送られている方も多くいらっしゃいます。
そのため、
・現在の受給額で生活設計に問題がないか
・就労状況の変化が今後の更新へ影響しないか
・配偶者加給や子の加算状況に変更がないか
・年金生活者支援給付金の対象となっているか
毎年の通知書をきっかけに確認しておくことは非常に重要です。
障害年金は、更新(障害状態確認届)によって支給継続の可否や等級が見直される制度です。
「少し働けるようになった」
「反対に症状が悪化した」
「家族状況が変わった」
といった変化が、今後の年金額や更新手続へ影響する場合もあります。
近年は物価上昇や医療費負担の増加もあり、「受給できているから安心」というだけではなく、治療と仕事の両立や生活費とのバランスを含めて、長期的に考えていくことが重要です。
通知書を紛失した場合は再交付も可能
「年金額改定通知書」や「年金振込通知書」を紛失してしまった場合でも、再交付を受けることが可能です。再交付方法は以下の3つがあります。
1、「ねんきんネット」からの申請
*「ねんきんネット」とは、年金記録の確認、年金見込額の試算、通知書の閲覧等、年金情報の確認や年金に関する各種手続きが行えるサービスです。
「ねんきんネット」のIDを取得している方は、24時間いつでも再交付申請を行うことができます。なお、発送まで1週間程度かかるとされています。
2、電話での申請
電話での再交付申請は、「ねんきんダイヤル」で受け付けています。
・0570-05-1165
・050から始まる電話の場合:03-6700-1165
基礎年金番号や氏名、生年月日などを確認されますので、年金手帳や年金証書を準備しておくとスムーズです。
3、年金事務所等での申請
お近くの年金事務所や街角の年金相談センターでも再交付申請が可能です。
窓口では、本人確認書類、年金手帳や年金証書、代理人の場合は委任状などが必要となります。なお、年金振込通知書は直近分のみ再発行可能で、過去分は再発行できません。
一方、「ねんきんネット」では、過去1年以内の通知内容確認や印刷も可能です。
まとめ
年金額改定通知書は、単に「年金がいくら増えた・減った」を確認するだけの通知ではありません。
現在の受給状況や加算、支給停止の有無などを確認し、今後の生活設計やライフプランを見直す大切な機会にもなります。
特に障害年金を受給されている方にとっては、
・治療と仕事の両立
・更新や等級変更への備え
・生活費や医療費とのバランス
などを考えていくうえでも、毎年の通知確認は非常に重要です。
また、老齢年金や遺族年金を受給されている方についても、「前年と比較してどこが変わったのか」を毎年確認していくことが大切です。
通知書が届いた際には、そのまま保管するだけではなく、一度しっかり内容を確認し、不明点があれば年金事務所や私たち社会保険労務士へ相談されることをおすすめいたします。
